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『思い出のビーチクラブ/稲垣潤一』 [邦楽ロック/80年代]

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こんばんは。
今宵も夏の曲を。

稲垣潤一さんの1987年のシングル『思い出のビーチクラブ』です。
以前に『一ダースの言い訳』を取り上げてから、J.Iを改めて聴き直そうと、
ベストアルバムを買いました。
そしたら出てくる出てくる珠玉のナンバーの数々。
あれもそうだった、これもそうだったと、心が弾みました。
J-POPというやや軽薄短小な枠組みの中で一本芯の通った世界を作り続けてきたのが稲垣さんだと思いました。
様々な作家チームと組みながら独自のブランドを現在まで30年近くも守り続けて来ているというか。

そんな名曲たちの中で僕がひと際惹かれたのが今回のシングルです。
同年に発表されたアルバム『MINDNOTE』からのシングルカットでそれを機にリミックスされています。

60年代のモータウンのフォートップスの『 It's The Same Old Song 』とかレン・バリーの『1-2-3』とかに通じる躍動感のあるイントロのリズム。
颯爽としたギターの8ビートフレーズ。
瑞々しいサウンドとメロディがソーダファウンテンのように湧き上がります。
作曲はヒットメイカー林 哲司さん。
『一ダース~』もそうですね。
アップテンポのリズム、そして胸高鳴るような素敵なメロディに乗って歌われるの内容は、
明るい内容かと思いきや、実は悲しいのです。
売野雅勇さんの歌詞も素晴らしいです。
泣きそうです。
せつない。
やるせない。
哀しい。


歌に出てくるビーチクラブとは閉鎖されたリゾート施設で、
寂れた建物の描写から歌詞は始まります。
青春時代を過ごした思い出の場所。
過去には活況を呈した場所も今は無残な姿を晒している。
何だか若い頃の過去の自分まで否定されているような。
過去の明るい青春時代を懐かしむ内容なのですが、
学生時代というかモラトリアムな青春時代、若さに任せたあの頃の甘酸っぱい思い出を振り返りながらも後悔の念を滲ませています。
夢のように儚い、うたかたの日々の中で大切なものまで見失って。
その後、社会人としての厳しい現実に直面していると思しき苦さが歌詞の行間から垣間見られます。
あの頃にはもう戻れない。

《STAY GOLD》という言葉がせつなく響きます。

稲垣さんの絶妙な甘さを湛えた歌声が、少年と大人の狭間に揺れる青年の苦しさを見事に代弁しています。

アレンジを担当するのは船山基紀さん。
特に間奏の流麗なストリングスの響きが鮮烈な夏の想い出のように眩しく輝いて耳に感じられます。
爽快感のあるサウンドのブリーズが心の傷口に染み込んでくるような。

30年前の永遠のポップス。
過去の思い出をほろ苦く懐かしむ曲なので、ちょうど今くらいに聴き返すのが相応しいのかもしれません。30年前と言うと、バブルの頃でした。



この映像のJ.Iもイイですよね。
マリンルックが決まってます。
バックの演奏も一丸となったパワーを感じるし。

何度聴いてもイイですね。
1987年の夏のシングルと言うと渡辺満理奈さんの『マリーナの夏』がありますね。
リゾートでの淡い恋を歌ってます。

B面は『TRACES』。
アルバム未収録で、なんとクラッシックスIVのカバー。
オリジナルは1969年の作品。
このグループはバディ・ビューイとジェームズ・コブの共作で数々の名曲を残しています。
もちろん『TRACES』も例外ではなく。
そしてヴォーカルのデニス・ヨーストの南部系の男臭く甘い歌声の魅力。
稲垣さんの唄はそれとは正反対の声質なのですが、また違った魅力を楽曲に導くことに成功しています。
日本語の歌詞で唄われています。
担当したのは重実 博さんと言う方。
成就しなかった過去の恋についての唄。
こちらも振り返る内容ですね。

編曲はTOPICS。
個人なのかグループなのか判断がつきかねます。
もともとの楽曲も良いし、アレンジも稲垣さんのピッタリな繊細なムードに仕上がっていて良いカバーです。

何と言うか、僕にとって完璧なシングルです。
作家陣らによる分業も成功していた80年代の良い時代の充実したポップスでもあります。

真夏の昼の夢のような遠い音楽。


『思い出のビーチクラブ』《07FA-1103》〈作詞:売野雅勇/作曲:林 哲司/編曲:船山基紀〉(04’38’’)

30周年記念ベスト~テーマ・ソングス~

30周年記念ベスト~テーマ・ソングス~

  • アーティスト: 稲垣潤一,さがらよしあき,秋元康,売野雅勇,湯川れい子,安井かずみ,松本隆,山田ひろし,山田奈奈
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2011/10/26
  • メディア: CD



Mind Note

Mind Note

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL J(P)(M)
  • 発売日: 2008/03/11
  • メディア: CD



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いとぞう

この曲もイイですね。
最近、自分が高校生だった80年代後半の頃の音楽を無性に懐かしく思い出すことが多いです。僕もベスト盤欲しくなってきました。
作曲の林哲司さんはこの時代、菊池桃子さんでも良い仕事されてましたね。
by いとぞう (2017-08-14 17:03) 

都市色

>いとぞうさん、コメントありがとうございます。
80年代後半の音楽も80年代前半に劣らず良いものがありましたね。
稲垣さんのベストお勧めです。
林 哲司さんも改めて凄いですね。
by 都市色 (2017-08-16 03:05) 

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