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『桜 super love/サニーデイ・サービス』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。

季節は、春。
桜満開。
ゆっくりと木々に咲いた花々を愛でている時間は残念ながらなくて、
通勤途中に電車の車窓から景色を見ているだけですが。

2017年の〈さくらソング〉をご紹介。
サニーデイ・サービスのニューシングル。
昨年リリースされた傑作アルバム『Dance to you』からのシングルカット『桜 super love』です。

前回のインディーズのジャケットに続いて、
こちらもピンクなイラストが目を惹きますね。
ご存じ、岡崎京子先生のイラストをあしらったジャケ。

レコーディング途中でドラマーの丸山晴茂さんの体調不良により、録音の方向性や進行に変更を余儀なくされ、ベース以外は曽我部さんが演奏を殆ど担当。ドラムも代役を立てずに、彼自身が叩いたり、リズムアレンジを施して仕上げたという難産なアルバムだと云います。
が、ピンチはチャンスといいますか、嵐のあとの日本晴れといいますか、
もうひとつ例えるなら、ちあばきお先生の名作『キャプテン』にて、丸井主将時代、地区予選の決勝で墨谷二中と青葉学園との死闘の末の18回裏のイガラシのサヨナラホームランの様な激闘のあとが伺える、だからこそ美しいアルバムなのだと思います。
活動再開以降のアルバムも優れた内容ですが、90年代の『東京』『MUGEN』に匹敵する内容で。
昨年のベストアルバムでした。


そして今回のシングル。
アルバムの終盤のハイライトとなる名曲。
歌詞がとってもせつなくて美しい。

きみがいないことは きみがいることだなぁ

という一行に感動します。
喪失感と対峙した含蓄の深いことばですが、作為が感じられません。
この《きみ》とは恐らくドラムの丸山さんに捧げられていると思われます。

ソロ以降の曽我部さんはメロディより歌詞に重きを置いていたと思いますが、
その歌詞の素晴らしさがこの曲に極められていると思いました。
そしてサニーデイ時代のメロディの良さもここにきて熟成されて。
彼の優しい歌声とミディアムテンポ、でもリズムはダンサブルな16ビート。
キラキラしたシンセの音は陽だまりのよう。
勿論その春のんびりとした気分の背景には言い知れない悲しみも横たわっていて。
厳しい冬を経ての短い春爛漫。
サウンドで春の穏やかで儚い表情をスケッチしています。



まるで岡崎京子さんの漫画の世界に通じる様なドラマ仕立てのMVで素敵ですね、切なくなりますね。

B面は同曲のラブリーサマーちゃんによるリミックス。
昨年、メジャーデヴューを果たした、女性によるソロの宅録ユニットのラブリーサマーちゃんによるサウンドは、サニーデイのバージョンよりもバンドサウンドっぽい仕上がり。
誰もいない春休みの学校の校舎で放課後の空気感が味わえるような、爽やかなリミックス。
ユーミンの『最後の春休み』みたいな。
ラブリーサマーちゃんの桜の花びらのような、はらはらと切ない歌声もフィーチュア。
リミックスにありがちな過剰な演出を加えずに、楽曲の良さを生かした“ly summer chan remix”なり。

春っていいなぁ、思わずにはいられないシングル。

今回ご紹介したのは限定の7インチですが、同時発売でCDも発売されています。
そちらには更に、新曲やRCサクセションのカバー、そしてアルバムリリース後に開催された昨年のツアーの模様を捉えたライヴ音源などが収録された、55分に及ぶデラックスな内容。
特にライヴ音源は“サニーデイの激情”って感じのパワフルな演奏が襲ってきます。
聴きどころ満開なり。

ライブには参加していなかったドラマーの丸山さんの体調は徐々に回復に向かっているようでなによりです。
サニーデイは今年の夏に久々に野音でライブをするとのこと、行けるかな。

桜は散ってもこれからも活動が楽しみです。

蛇足ですが、
文中に『キャプテン』のコトに触れましたが、そういえば、コージィ城倉先生による、ちばあきお先生の名作『キャプテン』と『プレイボール』の続編『プレイボール2』が連載開始されましたね。
第一回を読みました。絵のタッチに違和感がありました。それは勿論仕方がないですが、さすが長年ちば漫画を研究されているだけあって、ストーリーの細部にまで『プレイボール』の世界観が再現されていると思います。物語の続きが楽しみになりました。
コージィ城倉先生は原作だけに回って、ちばあきお先生のアシスタントを経験されていた高橋 広先生が作画を担当すればより『プレイボール』な世界観が出たのにな、と思います。高橋先生は今は漫画を描かれていないようですが。
是非是非、ちば先生の世界観を絶対損ねることなく楽しませて欲しいです。
大変なコトでしょうけど。
がんばらなくっちゃ。
因みにキャプテンのシングルはこちら


『桜 super love』《ROSE 207》〈作詞・作曲・編曲:曽我部恵一〉(04’28’’)【20017】


桜 super love(7inch) [Analog]

桜 super love(7inch) [Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: LP Record



桜 super love

桜 super love

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: CD



DANCE TO YOU

DANCE TO YOU

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD




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『東京カラー/婦人倶楽部』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。
2016年ももう終わり。
早いですね~。

さっきお雑煮を食べたと思ったら、もうあと数日で大晦日。

今年もイロイロ聴いたり、観たり。
楽しませて頂きました。

でも総じて時間が足りませんでした。

観たい映画や舞台やライヴが多すぎて。
行きたい日に限って仕事だったり。
家でじっくり音楽を聴く時間も少なかったような。


年々時間が早く感じられるのは何なんでしょう。

今年の年間ベストが発表される時期ですが、
おおっぴらに発表できるほど今年出た新譜は買えませんでした。


数少ない今年買った新譜のアルバムの中で特に愛聴した作品に、
夏に発表された“婦人倶楽部”のファーストアルバム『フジンカラー 』があります。

婦人倶楽部とは、佐渡島に居住する主婦4人組とのこと。
一般人らしいので顔見せNGで、割烹着と手拭いの姉さん被りがトレードマーク。
なんだか主婦の秘密のバイト、って感じでワクワクしますねって冗談です。
それはそれとして。
彼女たちの音楽のキーパーソンとなるのが、プロデュースを担当するムッシュ・レモン氏。
実は“カメラ=万年筆”というユニットのメンバーの佐藤 望氏の仮の名前。
このユニットのファーストアルバムは以前よく聴いてました。

クラシカルでカラフルなポップミュージック。
90年代に隆盛した渋谷系を髣髴させるような軽音楽、それが婦人倶楽部。

今回ご紹介するのは彼女たちの2枚目のCDシングル。
東京カラー』。

お洒落なメロディと80年代の化粧品のCМになりそうな甘美でモダンなサウンド。
そしてミスティで香しい女性ヴォーカル。
4人のメンバーはそれぞれA、B、C、Dと名乗られていまして、知的で魅力的なヴォーカルを披露しているのは、
婦人Bさん。
謎の女Bって感じでミステリアス。
この方の歌声、とっても好きです。
野宮真貴さん、佐藤奈々子さんらにも通じる感じで。

東京へ佐渡島からフェリーで出かける主婦の女性ひとり。
若い頃に遊んだ思い出のある街、東京。
懐かしい街に久しぶりに訪れて、ウキウキしながらも、
相変わらず賑やかで慌ただしいムードは、少し年を取った身には違和感が。
若い頃とのギャップを感じつつの東京散歩。

そんな、なかなか趣のある歌詞、さすがムッシュレモン氏。
婦人Bの歌声と見事に調和しています。




2曲目は『Tech Okesa』。
佐渡と言えば、『佐渡おけさ』という民謡が思い浮かびます。
僕も大して詳しくは無いですが、
婦人倶楽部による《おけさ》はテクノ仕様。
浮遊感のあるデジタルサウンド。
風流なポップミュージック。
細野さんの『オムニ・サイトシーイング』(1989)を思い出しました。

3曲目は『FUJIN CLUB(Minami Kitazono Remix)』。
婦人倶楽部の1stマキシシングルCD『FUJIN CLUB』のタイトルソングを気鋭のミュージシャン、北園みなみ氏がリミックス。僕はCD『FUJIN CLUB』を持っておらず、
オリジナルバージョンよりリミックスバージョンを先に聴いたのでした。
この曲もオシャレでポップなメロディと婦人Bによる気品のある歌が素敵です。
有閑夫人のエレガントな生活がつづられています。
アルバム『フジンカラ―』にオリジナルバージョンも収録されたので聴き比べてみると、原曲よりテンポが速くなり、ダンサブルな仕上がりでした。北園みなみ氏の手腕も炸裂。
そして後から聴いたオリジナルの『FUJIN CLUB』、これがまた大変結構な出来で、洗練の極みで緻密に構築されたムッシュレモン氏のアレンジにクラクラします。

4曲目は『東京カラー』のインストバージョン。
ゲーム音楽っぽい仕上がりで、
1曲目とはアレンジが異なります。
アレンジはフリッパーズやコレクターズのエンジニアを手掛けられていた美島豊明氏が担当。

マキシシングルですが、サウンドの引き出しの多い聴き応えのある4曲。
アルバム『フジンカラ―』もヴァラエティに富んだ内容でユーモアも効いていて、ムッシュレモン氏の華麗なる音楽センスに大いに感激しました。
ピチカートを思い出させます。

婦人倶楽部というのは、現在までシングル3枚と、フルアルバム1枚を発表してますが、
単なる企画モノなのかそれとも、恒久的に続くのかまだ判りません。
僕としては珍しくとっても気に入っているので是非とも来年も活動して頂きたいです。
婦人Bの歌声ももっと聴きたいですし。

そして写真やアートワークはこれまた気鋭の川島小鳥さんが手掛けています。
ほんわか。

という訳で、佐渡島の新しい名物、チャーミングな音楽大使、と言う感じの婦人倶楽部でした。



『東京カラー』《FUJIN-02》〈作詞・作曲・編曲:ムッシュ・レモン〉(04’39’’)【2014】


フジンカラー

フジンカラー

  • アーティスト: 婦人倶楽部,M.Lemon
  • 出版社/メーカー: Grand Pacific Work
  • 発売日: 2016/07/13
  • メディア: CD



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『アーノルド/ミックスナッツハウス』 [邦楽ロック10年代]

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ども、3分54秒です。
魅惑の日曜シングル盤アワー。

今回はミックナッツハウスの『アーノルド』。
前回の達郎さんのシングルと“空飛ぶイラスト”繋がりで。

イラストレーター/漫画家・本 秀康先生の7インチシングル専門レーベル“雷音レコード”についてはかねがねご紹介しなくてはと思っておりました。
音楽ファンなら、先生がこれまで数多くのミュージシャンのCDのジャケットのイラストを手掛けられてきた事は御存じでありましょう。
勿論、レコードコレクターズ誌に連載されていた『レコスケくん』でお判りの通り、博覧強記のレコードマニアであらせられます。
漫画家がレコードレーベルを設立、という事自体が凄いですが、その本気度は半端じゃありません。
本業以外の余技の範囲を超えてます。
遊びじゃないのよ、この恋は。
ご自身のイラストによるジャケットは勿論ですが、先生がセレクトしたミュージシャンの音源を初シングル盤化し、音源によってはその為に再レコーディングをしたり、未発表音源を使用したり。
そのレコードのプレスに先生自身も立ち会います。
勿論これらの費用は先生が自腹でされているのでしょう。
恐れ入谷の・・・・。
そしてその値段設定。
なんと1000円(税別)です。
今どきこの値段は凄い。
近年だとアナログの7インチの値段はまちまちですがだいたい1500円くらいで、2000円のところもあります。
2000円なんて、アルバムが買えますよ。
輸入盤のCD以上の値段で平気な顔して売っている輩が多い中、1000円は良心的です。
本当に素晴らしいです。
高い値段で売ってる奴らに先生の爪の垢でも煎じてやりたいです。
音楽業界の鑑。
レーベル名の雷音“RHION”は勿論、RHINOのもじりです。

あ、話が長くなっちゃいましたが、勿論一番肝心なのは“音”ですね。
先生が選ぶミュージシャンだけあって、一癖も二癖もある個性的な方ばかり。
ひねくれていて、ユーモラスでポップです。
今回ご紹介するミックスナッツハウスはスリーピースのインディーズのバンド。
詳しいことはあまり知らないのですが。

そんな彼らによる『アーノルド』。
本先生の同名作品のテーマソングであります。
アーノルドという名前の戦闘用巨大ロボットが開発者の六頭博士と共に行方不明に。
博士とロボットを捜索して軍部へ戻す為、大佐の命により内山田君はトリ号に乗って博士の元へ向かうのですが・・・・。
先生お得意のバッドエンディングが炸裂。
可愛さ(とユルさ)余って残酷さ百倍。
僕が初めて買った本先生の漫画『君の友だち』収録。

この漫画のアニメ版はスネオヘアーの『冬の翼』のPVをご覧いただくとして。

シングルの『アーノルド』。
マンガを元にバンドメンバーによって書き下ろしました。
あだち麗三郎氏がプロデュース。
どことなくキンクスっぽい感じのポップナンバーで。
朗らかなメロディのフォークロック。
本先生は後期ビートルズと評されていましたので当たらずも遠からずと。

原作をもとに歌詞は書かれていますが、漫画の残虐性は薄められています。





B面は『蒸し暑い中華街』。
こちらも今回の為に再レコーディングされています。
細野さんの『トロピカルダンディー』あたりのサウンドを髣髴させる楽曲。

ジャケットのいかにも、70~80年代のアニメソングっぽいアートワークも技ありです。

本先生の漫画を今回のシングルに連動して改めて沢山読み返しましたが、
やっぱり“何とも言えない”気分になりました。
唯一の長編作『ワイルドマウンテン』はやはり名作。
まだ読んでいないよい子の漫画ファンは是非お読みください。
最近はイラスト業の方がお忙しいようですが、
是非是非また漫画を描いて頂きたいです。

シングル『アーノルド』は先月にリリースされた現時点の雷音レコードの最新作ですが、
次なるシングルも期待しています。

『アーノルド』《RHION-12》〈作詞:林 良太/作曲・編曲:ミックスナッツハウス〉(04’35’’)【2016】




君の友だち

君の友だち

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 青林工芸舎
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: コミック



アーノルド (河出文庫 も 6-1)

アーノルド (河出文庫 も 6-1)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2007/02/03
  • メディア: 文庫



ワイルドマウンテン 1 (IKKI COMICS)

ワイルドマウンテン 1 (IKKI COMICS)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2004/06/30
  • メディア: コミック



ワイルドマウンテン 2 (IKKI COMICS)

ワイルドマウンテン 2 (IKKI COMICS)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/04/26
  • メディア: コミック



ワイルドマウンテン 3 (IKKI COMICS)

ワイルドマウンテン 3 (IKKI COMICS)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/02/28
  • メディア: コミック



ワイルドマウンテン 4 (IKKI COMICS)

ワイルドマウンテン 4 (IKKI COMICS)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/02/28
  • メディア: コミック



ワイルドマウンテン 5 (IKKI COMICS)

ワイルドマウンテン 5 (IKKI COMICS)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/11/30
  • メディア: コミック



ワイルドマウンテン 6 (IKKI COMIX)

ワイルドマウンテン 6 (IKKI COMIX)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/06/30
  • メディア: コミック



ワイルドマウンテン 7 (IKKI COMIX)

ワイルドマウンテン 7 (IKKI COMIX)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/06/30
  • メディア: コミック



ワイルド マウンテン 8 (IKKI COMIX)

ワイルド マウンテン 8 (IKKI COMIX)

  • 作者: 本 秀康
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/03/30
  • メディア: コミック



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『6月の歌/曽我部恵一』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。

気が付けば、今年も半分くらい過ぎようとしています。
はぁ。

という訳で、6月なので、川の流れのように『6月の歌』をご紹介。

曽我部恵一さんの3年前にリリースしたシングル。
毎年6月になったら取り上げよう取り上げようと思ったまま3年経ってしまいました。

ソロになってからの曽我部さんはご自身で立ち上げた個人のレコードレーベル『ローズ・レコード』から音楽を発信しています。
それも実に精力的に。
かれこれ12年になりますが、
これまで出したソロ名義の作品はどのくらいあるのでしょう。
ちょっと数えきれません。
軽いフットワークで旺盛な創作意欲で作品を出し捲ってます。
ソロ以降、ご自身の生活と音楽がより密接に繋がっており、日記を書くように、日々の心象を音楽でスケッチするように楽曲を発表されています。
其処がサニーデイ・サービスと異なるところだと思います。

この『6月の歌』も彼のモノローグの様な仕上がり。
アコースティックな編成で、マイルドな歌とメロディを紡いでいます。
良いモノも悪いモノもあるがままに全てを受け入れてくれるような大らかさ、そしてまなざしの優しさが伝わってくるのです。
彼の音楽の強さも感じます。

小さなひとときのしあわせに浸るようにこの曲が心を静かに流れていきます。




この曲も収録している、
2013年に発表された彼のアルバム『超越的漫画』は数あるアルバムの中でも
素晴らしい内容でした。
モノラル録音でシンプルでプリミティヴな曽我部さんならではのロックン・ロールを響かせていました。
とにかく音がイイです。

そして、『6月の歌』は、今年発売されたかもめ児童合唱団のファーストアルバムでカヴァーされました。

あとの曽我部さんのファーストアルバム『曽我部恵一』には『5月』と言う曲もあります。
この曲も好きです。



B面は『コーヒーとアップルパイ』。
『超越的漫画』に未収録の楽曲。
『6月の歌』にも参加した北山ゆう子さんのドラム、伊賀 航さんのベースのリズム隊のグルーヴがとても効果的にファンキー。高野 勲さんの鍵盤の響きもメロウな一曲。
曽我部さんのファルセットの歌声もセクシー。
隠れた名曲と言えるでしょう。


さまざまな形態のソロ活動、そしてサニーデイサービスでの活動などなど、自由で大胆でポジティヴで元気な曽我部恵一さんの音楽活動はロックン・ロールの理想です。
同世代の尊敬するミュージシャン。
これからも楽しみです。

『6月の歌』《ROSE161X》〈作詞・作曲・編曲:曽我部恵一〉(03’05’’)【2013】



超越的漫画

超越的漫画

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: CD



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『いちご畑でつかまえて/サニーデイサービス』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは、
カーネーションの次は
サニーデイ・サービスです。
フロム・ローズレコード。
これもファンなら知らぬはモグリですが、
曽我部さんも青山さん、直枝さんと同じバースデイ。
8月26日はなんてメロディアス。

サニーデイ・サービスのライヴも昨年末に観に行きました。
大阪のメルパルクホール。
新幹線の新大阪駅の近く。
真野ちゃんのライヴもそこで観ました。
彼らの音楽をデヴューアルバムから追っかけていながらライヴを観に行くのは初めての事でした。
観る前はサニーデイは演奏があんまり上手くないのでは、と思っていました。
ところがメチャクチャ素晴らしい演奏でした。
ギター、ベース、ドラムのスリーピースでガンガンにバリバリに演奏してました。
もう勝手にヘタだなんて思い込んでいて申し訳ありませんでした。
テクニックもあると思いましたが、そんなコトではなく、ロックンロール・バンドとしての気合、スピリット、ガッツが凄い。
エモーショナル、エネルギッシュ。
卓越した曽我部さんのギタープレイ。
エレクトリックもアコースティックも良い音がします。
そして歌の圧倒的な巧さ。
ブンブンと弾けるベースを奏でながら田中 貴さんのコーラスも爽やかで。
ドラムは丸山晴茂さんでは無かったようです。
恐らく初恋の嵐のドラマー、鈴木正敏さんだと思われるのですが、パワフルなドラミングで前方の二人を盛り上げていました。
ニール・ヤングとクレイジーホースみたいでした。
カッコよかったです。
МCも控えめにこれまでの彼らの代表曲を惜しげもなくドンドン披露していて、あらためてイイ曲ばかりだと思いました。
90年代の僕の生活に溶け込んでいた曲たち。
世田谷での大学時代、そしてフリーター時代の記憶が蘇って来ました。

ライヴの本編ではみんなホールの客席に座って聴いていました。
じっくり楽しんで。
そしてアンコールでは曽我部さんが「みんなもっと前に来ていいよ」と言ったら、
待ってましたとばかりに客席を離れて多くのファンがステージ前方にかぶりつきで集まってきました。
みんな子供のように無邪気に演奏を楽しんでいました。
恐らく僕と同年代の、90年代に青春を送った方々なのでしょう。
僕は二階席だったのですが、楽しく観られました。
12月の最後の日曜日。
サニーデイ、サンデー。
ハートが芯から温まるようなライヴでした。

そんな彼らの新しいシングルがリリースされました。
いちご畑でつかまえて』。
大滝さんが聖子さんに書いた曲とは同名異曲。

16ビートのゆったりとしたリズムに乗って、
ゆらゆらと煌めくエレキギターのリフレインが耳に心地良いです。
ソフトな歌声と甘美なメロディが冬の厳しい空気を優しくほどいていきます。
曽我部さんのメロディメイカーぶりが遺憾なく発揮されています。
夜の闇をだんだんと明るく染め上げる朝日の様な爽やかさ。
この時期にぴったりなミディアムナンバー。
聴けば聴くほど味わいも増して。



B面は『コバルト』。
フォークロック調の作品。
気だるくセンチメンタルなムードに微睡みながら、ハートウォームなメロディを味わいます。
少年の様な曽我部さんの唄声も良いですね。
瑞々しいブルー。

う~ん、サニーデイ健在なり。
新年の名曲一番乗り。


サニーデイと言えば、
昨年に彼らが90年代に発表したアルバム群をアナログで再発しました。
再発されたのは『若者たち』『愛と笑いの夜』『Sunnyday Service』そして『24時』の4ダブル。
それ以外の3枚は90年代にアナログで出されました。
『Mugen』と『LOVE ALBUM』は持っています。
『東京』を買い逃したのが悔やまれます。
一度だけ三軒茶屋にあったレコファンで売っていたのを見かけたのですが、そのときは買わなかったのです。
所持金が足らなかったのか、覚えていません。
返す返す残念です。『Future Kiss』も持ってませんでした。
結成20年以上も経ちますが、サニーデイサービスはまったくそんな感じはしなくて、時間の経過を越えて年齢不詳な青いサウンドをこれからも聴かせてくれるのでしょう。

それと、このジャケットのアートワークはおなじみの小田島 等さんが担当されているのですが、

つい先ほどのツイートでデザインのアイディアを永井 博さんが手掛けられたサザンの『いなせなロコモーション』から得ている、とコメントされていました。
なるほど。
『いなせな~』はピンク色の地にピーマンのイラストが描かれてました。
『いちご畑~』は黄色の地にイチゴのイラスト。

サザンのあの曲もジャケットも良いですよね。
という訳で、

“サ”の付くバンド同士、
野菜と果物のジャケットについてのタネあかしでした。

チャンチャン。

『いちご畑でつかまえて』《ROSE195》〈作詞・作曲:曽我部恵一/編曲:サニーデイサービス〉(05’05’’)【2016】





苺畑でつかまえて [Analog]

苺畑でつかまえて [Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Independent Label Council Japan(IND/DAS)(M)
  • 発売日: 2016/01/15
  • メディア: LP Record



Sunny

Sunny

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2014/10/21
  • メディア: CD



サニーデイ・サービス

サニーデイ・サービス

  • アーティスト: 曽我部恵一
  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 1997/10/22
  • メディア: CD



東京

東京

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 1996/02/21
  • メディア: CD



本日は晴天なり

本日は晴天なり

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: CD



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『アダムスキー/カーネーション』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。
青山陽一さんのシングルに続いては、
カーネーションです。

青山さんと直枝さんはかつてはメトロトロンのレーベルメイトでしたが、
その後、異なるさまざまなレコード会社の所属を経て、
再び現在共にP-Vineに籍を置いています。
勿論ファンの方なら百も承知の同じ誕生日同士。

カーネーションの2015年を締め括るニューシングル『アダムスキー』。
シングルのリリースとしては2009年の『ジェイソン』以来です。
ジェイソンとアダムスキー。
関連性はあるのでしょうか。

そういえば、『ジェイソン』でドラムを叩いていたのが、現在青山陽一 the BM'sのメンバーの中原由貴さんでした。


それはそれとして。
アダムスキー、というと、《空飛ぶ円盤》に遭遇したことのある方。
その体験から広まったUFOのイメージは不変です。
今回のシングルのジャケットにも円盤が映ってますね。
ジャケットのロケ地は東京の永福町にあるつり掘の武蔵野園。
孤独のグルメのエピソードでも有名です。

ジャケ写の摩訶不思議なイメージにも負けない『アダムスキー』の摩訶不思議なロックサウンド。
直枝さんの脳内を垣間見る様なストレンジな白昼夢のような世界。
混沌とした言葉の羅列を繋ぐホットでポップなロックンロール。
ひねくれていてもバンドサウンドの衝動的なパワーに惹かれます。
ちょっと巻き舌気味の直枝さんの唄声も気だるくってセクシー。
不動の大田譲氏のベース。
サポートの
張替智広氏のワイルドなドラム。
佐藤優介氏のバリー・アンドリュース気味なキーボード演奏。
ほんのり初期XTCっぽくもあり。

♪ 笑いながら泣いたりしてもいいよね?

良く判らないけど、いいとも。

因みにシングルを再生する回転数は33回転。
青山さんのシングルも33回転にすれば、両面にしなくても良かったのかも。



B面は『メテオ定食』。
こっちは45回転。
これまた掴み処の無い曲名。
近未来の空想世界のようなイメージの曲調とサウンド。
そして歌詞もカート・ヴォネガット・ジュニアの小説のようにSFっぽくてシニカル。

♪ 戦いたいなら“お前”が行ってください


このシングルにはダウンロードコードが付いていて、2014年のライヴ音源を聴くことが出来ます。
イイ曲がいっぱい。
あ、でもまだダウンロードしていませんでした。
これからしよう。


昨年は直枝さんは鈴木惣一郎氏のとのソギー・チェリオスのセカンドアルバムをリリース。
1973年前後のロックのダイナミズムと叙情を滾らせた名盤でした。

今年はカーネーションでの活動がメインなのでしょうか。

昨年末と年明けの先日に大阪でライヴを開催して下さったのですが、
都合が合わなくていけませんでした。
先日のライヴのあった土曜は仕事があって、開演の18時には間にあわないのです。
その代わりに、19時半からビルボード大阪で開催された吾妻光良&スウィンギンバッパーズのライヴを行きました。
これも仕事が何とか終わって急いで移動して電車を乗り継いでギリギリ間に合ったくらいで。
バッパーズは長年観に行きたいと思いつつ、都合が合わなかったのですがようやく観に行くことが出来ました。
大満足でした。
吾妻さんのエンターテイナーぶりに感激しました。

カーネーションのライヴも是非また行きたいと思います。


『アダムスキー』《P7-6213》〈作詞・作曲:直枝政広/編曲:カーネーション〉(05'14''’)【2015】




ADAMSKI [Analog]

ADAMSKI [Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: LP Record



Carnation Billboard Live 2015 [LIVE DIRECT]

Carnation Billboard Live 2015 [LIVE DIRECT]"a Beautiful Day" 20th Anniversary Live

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Amazon Records
  • 発売日: 2015/08/22
  • メディア: CD



SWEET ROMANCE[初回限定盤]

SWEET ROMANCE[初回限定盤]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2012/09/19
  • メディア: CD



EELS & PEANUTS

EELS & PEANUTS

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2015/10/14
  • メディア: CD



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『Freezer Bag(Part 1 & 2)/青山陽一 the BMs』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。

いつかこのライヴを思い出してきっとブログに上げてしまう、のコーナー!

ハイ、今夜も松坂世代に大人気なコーナーがやってきました。
突撃レポーターの都市色です。
今回のライヴレポは昨年10月18日(日)、阿波座のmarthaというカフェレストラン。
そこでの青山陽一 the BM'sのライヴ。
前回彼のライヴを観たのは四年前の難波ベアーズでした。
そのときもバンド編成で。
ベアーズと言うアンダーグラウンドの巣窟で熱気溢れファンキーな演奏が繰り広げられました。
薄暗い闇の中でみんな体を激しく揺らしていました。
あのときの興奮をもう一度という訳です。
狭かったベアーズから一転、比較的ゆったりとし手、明るいカフェレストランで寛ぎながら濃厚なグルーヴの振動で心も体も響きました。
僕の周りの客席の方々も大いに盛り上がって、メンバーの演奏にもさらに火が注がれます。
青山さんの華奢な体から鋼のようにしなやかで逞しいギタープレイの数々、そして癖のある楽曲と歌声が。
年を追うごとに固定されたメンバーとのコンビネーションも深まり、演奏時の表情にも自信と余裕が感じられます。
四人のフォーリズム(ギター、ベース、ドラム、キーボード)の他に、ゲストで田村玄一さんがスティールギターで参加していて、さらにサウンドに厚みが出ていました。
このときに、ちょっとしたハプニングが起きたのですが、それまた後ほどお伝えします。

このライヴは2015年で活動25周年を迎えた青山さんが記念となるオールタイムベストアルバムのレコ発ツアーでありまして、ベスト盤のタイトルは『Quarter Century of Odrelism』。
そのベスト盤に収録されている新曲『Freezer Bag』がアナログシングルとして発売されました。
まさに現行のブルース&ファンク路線ど真ん中の作品。
バンドとの蜜月を感じさせるサウンドなり。
ありし日のソウル/リズム&ブルース系のシングル盤にあったようなパート1、パート2構成で、A面とB面にまたがってのロングプレイ。
タイトルは冷凍保存に使うアレです。

フリーザーバッグに入れたまま冷蔵庫で長期間保管して、すっかり放置。
思い出したは良いけど、その中に何が入っているのか判らない。
何だかちょっと怖い。
さて、どうしたもんだろう。

そんな感じの内容。
青山さんの歌詞は日常からあんまり他の方が考えないような視点から歌詞が形成されたり、
どこかもの悲しい、滑稽な状況を言葉にしますね。
ハッピーな状況を歌うことは殆どありません。
そこが実にブルースですね。
少々怪しげな歌詞に相応しい、ノワールなダーティな演奏。
中原由貴女史と千ヶ崎 学氏による重量感のあるリズム隊の演奏に乗って青山さん自身の切っ先の鋭いエレキギターのソロが繰り出され、それも聴きどころです。ギターが内心を訴えています。泣いてます、叫んでいます。
延々とドファンクが展開されいきます。
ギターソロ、そして伊藤隆博氏のキーボードソロ、そして再びギターソロ。
リズムに魅せられているうちにレコードの溝の内周へ。
つれないフェイドアウト。

この続きはライヴにて。

A、B面合わせて一曲なんですが、シングルを買ったときに特典としてCDが貰えました。
ベスト盤と同名の楽曲『Quarter Century of Odrelism』。
ファンキーでちょっとメロウな楽曲でライヴ音源で収録されてます。
先ほど述べたライヴではオープニングで演奏されました。
ベスト盤には未収録ですが、お気に入りです。

バンドの充実ぶりが伝わる青山さんの最新シングルです。

最後に、

ライヴの途中で、田中玄一氏のスティールギターの弦が切れました。
一度弦を交換したのですが、また演奏の際に切れてしまいました。
もう一度弦を交換する為に一旦、演奏を中断。
少し長引きそうなので、彼以外のメンバーでブルースのセッションを始めます。
ゆったりとしたリズムのセッションが続くと、ようやく弦の張替が終わった田村氏が演奏に合わせて治った楽器を弾き出し、さらにおもむろに歌いだします。

♪ 何故なんだ~ どうして弦が切れるんだ~ 2度も~

これには会場内が大いに沸きました。
いっしょに演奏してるバンド面々も大笑い。
青山さんも調子に合わせて

♪ 玄さんの弦が切れた~

と唄い出すので益々大盛り上がり。

こういうライヴでの意外な出来事は盛り上がりますね。
演奏をとちったり、歌詞を忘れて中断したり。

でもこういう機知に富んだユーモアから演奏が生まれたりするのはさらに面白い。
このライヴでは田村玄一さんは即興でブルースを歌い出しました。

ブルースと言うのはアメリカ南部の黒人の奴隷制から来る悲哀や憂鬱を歌にしたもの。
日常の苦しみを開放するべく民衆の間から歌が生まれました。
ライヴ中に不本意にも楽器の弦が切れてしまった悲しみを即興でブルースにしたのです。

ブルースが生まれる瞬間を目撃したのです。
大袈裟かもしれませんが、僕はとても感激しました。
音楽と日常の深い結びつきに感銘を受けました。
これぞライヴの醍醐味なり。
そして、
ブルースは深い。

そんな大発見をした青山陽一さんのライヴでありました。
今年は是非、ニューアルバムを期待しています。
ブルーマウンテンのブルースを聴かせて欲しいです。





『Freezer Bag』《P7-6210》〈作詞・作曲:青山陽一〉(Part 1:03'48'' ,Part 2:03'38'')【2015】
  

Quarter Century Of Odrelism (1990-2015)

Quarter Century Of Odrelism (1990-2015)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2015/05/20
  • メディア: CD




Freezer Bag (Part 1) c/w Freezer Bag (Part 2) [7inch Analog]

Freezer Bag (Part 1) c/w Freezer Bag (Part 2) [7inch Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2015/11/04
  • メディア: LP Record




ブルーズ・フォー・トマト

ブルーズ・フォー・トマト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2011/10/19
  • メディア: CD


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『太陽のバカンス/シーナ&ロケッツ』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。

自分が過去に観に行ったライヴを思い出しながらそのミュージシャンに関するシングルを紹介する、
題して、
『自分が過去に観に行ったライヴを思い出しながらそのミュージシャンに関するシングルを紹介しよう』のコーナー!

ハイ、今夜はシーナ&ロケッツ

昨年の9月、梅田クラブクワトロでライヴを観てきました。
仕事が終わって急いで会場へ。
開演から一時間くらい経っていて、途中でどうしようかと思いました。
中途半端にしか楽しめないなら、辞めようか。
でも行きました。
行かない後悔より、行ってからの後悔。
これを見逃したら、暫くは観られないだろう。

これまでも何度か観たいと思いつつ、一度も観に行くことはありませんでした。
なかなか都合がつかなくて。

昨年、2月にシーナさんは天に召されてしまいました。

当日券を握りしめて、クワトロのライヴ会場の重たいドアを開けました。
初めて観る彼らのライヴでしたが、なんだか初めてじゃないような親しみのあるムードがありました。
ロックンロールが好きな人なら、どんな奴でも受け入れてくれるようなオープンな雰囲気がすでに出来上がっていて。
そのときはブルースのような曲を演奏していました。
オーディエンスの皆がとても楽しそうに寛ぎながら演奏を楽しんでいました。
敷居の低さがありました。
当然、ステージにはクールでセクシーでナスティでスレンダーな女性ヴォーカリスト・シーナさんはいません。
ギターの鮎川 誠さん、ベースの奈良敏博さん、ドラムの川嶋一秀さんの3ピースの演奏で。
僕が見始めたあたりから、一昨年にリリースされた最新作『ROKKET RIDE』からの楽曲が多く演奏されました。
シーナさんが担当したヴォーカルパートは主に鮎川さんが歌って。
技巧的な歌の上手さではなく、朴訥としたストレートな唄い方に味わいがあります。
彼女の不在を悲しむのではなく、シーナさんがきっと喜ぶような元気で前向きな演奏を貫いていました。
ロケッツの3人の熱い演奏とオーディエンスの声援をどこかでシーナさんが見守っているような、そんな気分でした。
鮎川さんの濃厚な博多弁でのМCはとても親しみ深く、実直で純粋で誠実な人柄が伝わって来ます。
シーナさんを思いやる良き夫の面が垣間見られて、心を打たれました。
ホント、カッコいい人ですね。
気骨のある九州男児って感じで痺れます。

鮎川さんの書かれたロックのディスクガイドは聖典です。

ライヴの終盤では代表曲の『レモンティー』も『YOU MAY DREAM』も聴けました。
滅茶苦茶素晴らしかったです。
演奏に合わせて、シーナさんの歌声が脳内から聴こえてくるようでした。
会場にいたみんなもそうだったかもしれません。
ライヴ会場の壁にはシーナさんを讃えるポスターのようなモノが貼られていました。
久しぶりにカッコいいロックンロールを思いっきり深呼吸しました。
ライヴを観に行って、良かったです。
また行きたいと思いました。

という訳で、シーナ&ロケッツのシングルを。
先に述べた最新作『ROKKET RIDE』から、先行シングルがドーナツ盤でリリースされました。
A面は『太陽のバカンス』。
60~70年代のエレキ歌謡風味のロックンロール。
限りなく恋のバカンスに近いロック。
懐メロに陥らないのは演奏と音質がバリバリに尖っているから。
あの時代のムードを嗅ぎ取ったような柴山俊之氏の歌詞。
妖艶なシーナさんの唄声にクラクラ。作曲も手がけてます。



そんなマコトに騙されて、サイケな夏をシモキタで。

B面は『電撃BOP』。
ラモーンズのカヴァーではなく、シナロケのオリジナル曲。
まさにタイトルの言うとおりに電光石火のパワフルな一撃のロックンロール。
まじりっけなしのロック、パンク、ガレージサウンドの詰め合わせ。
アンプリファイアされた鋼のノイズの渦の中心からシーナさんのシャウト交じりの熱唱が轟きます。
空々しい現代をぶった斬る鋭いメッセージを込めて。
実に若々しい。
作詞は柴山俊之氏、作曲は鮎川 誠氏。

このアルバムを聴く限りシーナさんが亡くなるなんて微塵も感じません。
シーナさんにとっての最期のアルバムの予感を感じさせない位に瑞々しくパワーが漲ってます。
そんな充実作『ROKKET RIDE』であります。

最近は訃報が日々舞い込んできて、穏やかじゃありません。
今年に入っても多いですね。
昨日も一昨日も。その数日前も。
ロックンロールの黄金時代、60~80年代を活躍されたミュージシャンたち。
鮮烈な感性の火花を散らして。
永遠に若く。
でも誰にも避けようもなく人生には限りがあります。
ただそれだけの当たり前の事なのですが。
素晴らしい思い出を多く残して下さったことが逆に悲しさを増加させてしまう皮肉。

来月でもう一年になるのですね。

湿っぽい話になりました。
そんなことは、
またレコードに針を下ろして音楽を聴いて忘れましょう。


『太陽のバカンス』《NJS-704》〈作詞:柴山俊之/作曲:シーナ/編曲:シーナ&ロケッツ〉(03’56’’)【2014】


ROKKET RIDE

ROKKET RIDE

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2014/07/23
  • メディア: CD



#1

#1

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ヴィヴィッド
  • 発売日: 2004/02/25
  • メディア: CD



GOLDEN HITS-THE ALFA YEARS

GOLDEN HITS-THE ALFA YEARS

  • アーティスト: シーナ&ロケッツ
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: CD



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『炎のクリスマス/シワスモノ』 [邦楽ロック10年代]

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気が付けば、
今年もクリスマスが轟音を響かせてやってきます。
どうあがいても避けきれないのです。

今年はまだクリスマスに関するシングルを取り上げていませんでした。
という訳で、今年は一枚ですが
ご紹介しましょう。

シワスモノ”の『炎のクリスマス』です。
シワスモノ、とはなんぞや。
“師走者”と漢字で書くのでしょう。
メンバーはヴォーカルとギターの森川アキコさんとギターの野口耕一郎さんの二人組。
お二人は90年代に、“サイクルズ”というバンドのメンバーでもありました。
メジャーで2枚のアルバムを残して解散、しばらくはそれぞれ別々に音楽活動をしていましたが、
二年ほど前からまた組んで音楽を開始しました。
そのユニット名が『サツキモノ』。
アレレ、『シワスモノ』じゃないの?
とお思いのあなた。
間違いじゃありません。
『シワスモノ』とは『サツキモノ』に於ける、11月と12月での活動時での変名という訳です。

僕はサイクルズが好きでした。
と、いっても彼らを知ったのは解散後でした。
彼らを知った経緯についてはきっとこのブログで彼らのシングルを取り上げる機会もあるかもしれないのでそのときまでとって置きましょう。

という訳でシワスモノの『炎のクリスマス』。
丁度、一年前くらいに発表された2曲入りのCD-R。
タイトル通り、クリスマスソングに分類される内容です。



内容は抒情的なヘイト・“クリスマス・ソング”です。
正確には日本でのクリスマス周辺時期の空虚で表層的なお祭りムードへの違和感です。
本来の趣旨から逸脱した商業主義的なクリスマス。
同様なことが昨今のハロウィーンにも当てはまりますが、
煌びやかなLEDの電飾に惑わされて、大勢で徒党を組んで酒を飲んだり騒いだりするだけのイベント。
この時期に恋人と一緒にクリスマス・イヴを過ごすことが最重要と煽るメディアの風潮。
そういうファッションに満ちたクリスマスへの皮肉をこめた楽曲です。

 歌や映画の中に 描かれているような
 そんな 特別な日じゃないよ 僕には
 街に人があふれていく ただそれだけのこと
 そんな迷惑なクリスマスはよその国のおまつり


実は山下達郎さんの『クリスマス・イヴ』と共通のメッセージを持っています。
あの曲も歌詞ではクリスマスに独りで過ごすことの疎外感を歌っています。
達郎さんはインタビューで、ご自身の楽曲で唄われる歌詞のテーマは基本的に“疎外感”であると語っています。

穏やかなミディアムテンポでセンチメンタルなメロディが切々と展開されます。
無垢なるハモンドの調べとスレイベルが鳴り響いて。
森川アキコさんの伸びやかで澄んだ声、野口さんの爽やかな多重コーラスが崇高な輝きを魅せます。
じわじわと琴線を触れていきます。
ハードなサウンドで怒りを爆発するのではなく、マイルドでソフトな音楽に乗せて静かな諦観を独白します。
悲しみは雪のようにしんしんと降り積もっていきます。



このCD-Rには楽曲のクレジットが明記されていないのですが、
恐らく作詞作曲とも野口耕一郎氏が手掛けていると思います。
唄われている歌詞の内容、そしてメロディ展開が、サイクルズ時代と同じだからです。
サイクルズの作品はほとんど野口さんが担当していました。
時代の流れから取り残されてしまう人たちの心情をうたっていました。
そういう世界は僕にはとても共感します。

タイトルに付けられた“炎~”とは怒りの炎でしょうか。

もう一曲は『大人のクリスマス』。
こちらもクリスマスソングですが、やはり明るくて楽しい内容ではありません。
曲調は『炎の~』よりもポップで親しみやすいのですが、子供の頃のクリスマスは無邪気に楽しめたけど、大人になってからはクリスマスの日も仕事で忙殺されてしまう。
あの頃に戻りたい、と実にネガティヴこの上ない。

この二曲での救われない人々にこそ、祝福されるべきです。
つまり、僕のことでもあります。

因みに、シワスモノのお二人とも出身大学は国際基督教大学(ICU)です。
だから安易で無思想なイベント的な日本のクリスマスが許せないのかもしれません。

とにかく、サイクルズ時代同様に“シワスモノ”(a.k.a サツキモノ)での森川さんの清涼感ある歌声と、野口さんのメロディやメッセージに僕は魅了されています。

『サツキモノ』名義でも一枚CD-R形態でのシングルを出しているのでいつかご紹介しましょう。
今年もサツキモノはシワスモノとして12月にライヴを開催てします。
そして出来ることならこれからもコンスタントに作品をリリースし続けて欲しいですし、さらに出来ることなら関西でもライヴを行って頂きたいです。

それではブログをお読みの皆さん、メリー・クリスマス。

『炎のクリスマス』《品番なし》〈楽曲クレジットなし(おそらく詞曲:野口耕一郎)〉(04’15’’)【2014】




ながれ

ながれ

  • アーティスト: 野口耕一郎,森川亜希子
  • 出版社/メーカー: キューンミュージック
  • 発売日: 2000/10/18
  • メディア: CD



うたよひびけ

うたよひびけ

  • アーティスト: 野口耕一郎,TODD RUNDGREN
  • 出版社/メーカー: キューンミュージック
  • 発売日: 1999/10/21
  • メディア: CD



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『DON'T STOP THE MUSIC/tofubeats feat.森高千里』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。
ブログの更新もエンジンがかかって来た、かな。

今夜ご紹介するのはtofubeats
昨年リリースされたメジャーでの1stアルバムその名も『First Album』はとっても気に入っていて、よく聴きました。アルバム一枚を通してちゃんと聴けました。
DJで楽曲を制作する人を“トラックメイカー”と称しますが、tofubeatsはむしろ“ソングライター”って感じがします。
そのくらい、楽曲としての完成度が高いと思いました。
作詞も手掛けていますし、曲によってはSSW的なセンスも感じます。
様々なアイドルに曲を提供しているし、リミックス仕事も引く手あまた。
2014年の新人賞は間違いなく、彼だったと思います。

という訳で、最近彼のこれまでリリースしたシングルがアナログ盤でも出たので取り上げましょう。
LISTEN TO THE MUSIC』からの、『DON'T STOP THE MUSIC』なり。

2013年に発表されたジャーデヴューシングルですが、CDの初回盤にはソノシートが付いてました。
マニアックですね。
80年代風な漫画のイラストが印象的。

7インチバージョンでは、シングルCDでの音源と異なる、『First Album』に収録されている音源が使われています。
タイトル通り、音楽への愛情が伝わる歌詞、そしてメロウなミディアムテンポのサウンドが心地よいです。
何より、ヴォーカリストとして起用された森高さんの魅力も大きいです。



ヒット曲のタイトルじゃないけど、オバさんにカテゴライズされる年代になっても、こうしてチャーミングにダンスミュージックを歌っている森高さんのカッコよさ。
ヴォーカリストとして起用するtofu氏のセンス。
彼女が歌うコトで、楽曲のメッセージにさらに説得力が増しますね。
単なるお人形さんのようなガールシンガーではなく、型破りで能動的に音楽へ取り組んできたスタイルが楽曲へ投影されています。
素晴らしい。
『非実力派宣言』でブレイクしたときって僕が高校生の頃ですから、あれから20年以上たっても衰えない魅力的な歌声、美貌、音楽への愛情。
もはや親と子位に年齢が離れているけれど、音楽の絆で結ばれた素晴らしいコラボレーション。


B面は神聖かまってちゃんの“の子”さんをヴォーカルに迎えた『おしえて検索』。
検索エンジンというインターネットからの最大の恩恵を与る現代人の悲喜こもごもを、エモーショナル且つメロディアスなシンセサイザーとノイジーなギターサウンドに乗せて。
の子さんの直情的な歌声と相まって前のめりに耳に襲ってきます。
一度聴いたら耳から離れない、実にユニークな楽曲。

ヴァラエティに富みつつも、まとまりのある『First Album』は全体としてオーソドックスな仕上がりで、20代前半とは思えない冷静さも垣間見られます。
現在も出身の神戸で生活しながら音楽活動をしている点でも、地に足がついているというか確固たるヴィジョンをお持ちなんだろうなぁと思います。
水星』を記事にしてからもう三年、いやまだ三年。

『DON'T STOP THE MUSIC』《JS7S089》〈作詞・作曲・編曲:tofubeats〉(05'02'')【2014】



First Album(初回限定盤)

First Album(初回限定盤)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/10/02
  • メディア: CD



First Album PVC Vol.1 [Analog]

First Album PVC Vol.1 [Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/02/14
  • メディア: LP Record



First Album PVC Vol.2 [Analog]

First Album PVC Vol.2 [Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/02/14
  • メディア: LP Record



Don't Stop The Music (初回限定盤:CD+ソノシート)

Don't Stop The Music (初回限定盤:CD+ソノシート)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2013/11/13
  • メディア: CD



Don't stop the music feat.森高千里 [Analog]

Don't stop the music feat.森高千里 [Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: WARNER MUSIC JAPAN UNBORDE / JET SET
  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: LP Record



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